この教本の使い方
参考
確認日:2026年10月22日。 本書が引用した公式ドキュメント(Anthropic、OpenAI、Google、NIST、AWS)および法令(国家法令情報センターの「AI基本法(人工知能発展および信頼基盤造成等に関する基本法)」[施行 2026. 7. 21.][法律 第21311号、2026. 1. 20.、一部改正]と同法施行令[施行 2026. 8. 20.][大統領令 第36580号、2026. 8. 18.、他法改正]、「個人情報保護法(韓国)」[施行 2026. 9. 11.][法律 第21445号、2026. 3. 10.、一部改正]と同法施行令[施行 2026. 9. 11.][大統領令 第36671号、2026. 9. 10.、一部改正])は、すべてこの日に原文を読んで整理しました。ベンダー文書と法令は変更されます。実際に決定を下す前には、その日の原文を改めて確認してください。本書の法令解説は学習用の要約であり、特定のサービスに対する法的意見ではありません。
本書の対象読者
本書は、AI機能を企画する人のために執筆しました。サービス企画者やプロダクトマネージャー、AI導入課題を選定して優先順位を決める事業担当者、そしてAI機能のリリース基準を定めなければならないプロダクトリーダーが主な読者です。モデルを学習させたりコードを書いたりする方法は扱いません。その仕事は開発者に任せ、本書は開発者に何を作ってほしいと依頼するか、完成したものをリリースしてよいかを判断する人の実務を扱います。
AI機能の企画は、従来の機能の企画と2つの点で異なります。第1に、結果が確率的である点です。同じ入力に対しても少しずつ異なる回答が返され、どれほど巧みに作り込んでも一定の割合で間違えます。そのため、「正常に動作する」と言葉で約束することはできず、数値として定義し、評価によって確認しなければなりません。第2に、失敗が企画の一部である点です。ボタンであれば押せるか押せないかの二者択一ですが、AIはもっともらしく間違えます。間違えたときにユーザーが何を目にし、誰が介入し、どのように停止させるかを最初から設計しておく必要があります。
黄帯(AI質問法)レベルの理解とサービス企画の経験があれば十分です。企画経験がなくても読み進められるよう、専門用語は初出時に噛み砕いて説明しました。本書を終えた時点で、次の5つの成果物を自ら作成できるようになっている必要があります。AI適用判断メモ、測定可能な成功基準を含む要件定義書、評価計画書、失敗類型別対応表、段階的リリース計画書です。各章の実習課題を通じて、これらの成果物を1つずつ作成していきます。
本書の構成
本文は、試験のドメインと同じ順序の全5章で構成されています。1つのAI機能がアイデアから運用へと至る道筋をそのまま辿ります。
| 章 | 扱う問い | 成果物 |
|---|---|---|
| 第1章 AI適用判断 | この問題にAIは必要か、必要であればどのような形態か | AI適用判断メモ |
| 第2章 要件と成功基準 | 何を受け取って何を返し、どこまでうまくできれば成功か | 要件定義書とリリース基準表 |
| 第3章 評価設計 | その基準をどのようなデータと採点方式で確認するか | 評価計画書 |
| 第4章 失敗対応と人間の監督 | 間違えたときにユーザーは何を体験し、誰が介入するか | 失敗類型別対応表 |
| 第5章 リリースと運用 | どれだけ、どのような順序でリリースし、いつ停止するか | 段階的リリース計画書 |
各章は、学習目標、はじめに、重要な概念、さらに深く、実務の場面、間違えやすいポイント、ひと目でわかるまとめ、公式ドキュメントで確認する、セルフチェック、実習課題の10節で構成されています。重要な概念では試験範囲の知識と技術を余すところなく網羅し、さらに深くでは判断が分かれる境界事例やトレードオフを、実務の場面では架空の組織が課題から決定に至るプロセスを、見送った選択肢まで含めて提示します。
付録には、用語集(A)、セルフチェックの解説(B)、試験当日のガイド(C)、本書が引用した公式ドキュメント一覧(D)を収録しています。最初は章の順序どおりに読み進め、復習時には各章の「ひと目でわかるまとめ」や「間違えやすいポイント」から確認することをお勧めします。
試験の概要
AIサービス企画(APM)は特技課程です。特技審査は35問を60分以内で解きます。原則を1つ確認または適用する問題は2点、複数の条件を同時に吟味しなければならない分析型の問題は3点です。獲得した点数を100点満点に換算した素点が75点以上であれば合格となり、得点帯に応じて1〜9等級も併せて表示されます。無料の練習セットは10問、25分です。
| 章 | ドメイン | 比重 |
|---|---|---|
| 第1章 | AI適用判断 | 20% |
| 第2章 | 要件と成功基準 | 20% |
| 第3章 | 評価設計 | 25% |
| 第4章 | 失敗対応と人間の監督 | 20% |
| 第5章 | リリースと運用 | 15% |
最も比重が大きいドメインは評価設計です。しかし実際の問題では、複数のドメインが複合して出題されます。リリースの問題の正解が成功基準(第2章)から導かれたり、失敗対応の問題の正解がAI適用判断(第1章)に基づいていたりと、相互に関連しているケースが頻繁にあります。各章を個別に暗記するのではなく、「必要か、何をもって成功とするか、どのように確認するか、間違えたらどうするか、どのようにリリースするか」という一連の流れとして理解してください。
問題はこのような形です
問題は5つの形式で出題されます。大半は架空の組織の状況が最初に提示され、その状況において最も適切な判断や対応を問う構成になっています。
| 形式 | 構成 | 採点 | 解答のコツ |
|---|---|---|---|
| 単一選択 | 選択肢5つのうち正解1つ | 完全一致 | 状況文で太字で示された条件(処理量、取り消し可能か、データ、締め切り)を最初に見つける |
| 複数選択 | 選択肢5〜6つのうち2〜3個 | 正解をすべて選び、誤答を1つも選んでいない場合のみ正解 | 選択肢ごとに独立して真・偽を判定する |
| 記述判定 | 記述ごとに Yes/No | 判断と理由の両方が合っていて初めて Yes | 結論が合っていても理由が誤っていれば No である |
| 順序整序 | 4〜5段階を順序どおりに並べる | 全体の順序が一致 | 「前段階の結果が次段階の入力になっているか」で並べる |
| マッチング | 左側の項目と右側の選択肢を結びつける | すべての組み合わせが一致 | 確実な組み合わせから消去していき、使われない選択肢が1つあることを念頭に置く |
審査用紙では、すべての問題が1つの番号(①〜⑤)を選ぶ形式に置き換えて提示されます。複数選択と記述判定は〈選択肢〉ボックスの組み合わせの中から1つを選び、順序整序とマッチングは候補となる順序や組み合わせの中から1つを選びます。
本試験において特に注意すべき点があります。同一の選択肢リストが異なる状況設定で用いられることがあり、状況によって正解が異なります。 たとえば、「すべての結果を人間が承認する」という対応は、一度送信したら取り消せない少量の公文書においては正解ですが、間違えてもすぐに修正できる大量のタグ付け作業においては不正解となります。選択肢だけを見て最も責任感がありそうに見えるものを選ぶと間違えるように作られています。状況文の数値や条件を先に読み、その条件がどの選択肢を選ばせるのかを吟味してください。
誤答の選択肢は、通常3つのパターンで作られます。第1に、他の状況では正しい実務プラクティスを今回の状況に持ち込むパターンです(修正が容易な作業に全件承認を適用する、基準がないのに自動採点を行うなど)。第2に、必要以上に重厚な解決策を選ぶパターンです(計算にLLMを用いる、分類にエージェントを用いるなど)。第3に、指標と目的を取り違えるパターンです(精度が高いからフォーマット検証は不要だとする、コンバージョン率の代わりにクリック数を見るなど)。各章の「間違えやすいポイント」では、これら3つの類型を章ごとに整理しています。
6週間の学習計画
1日40〜60分、週5日を基準に策定しています。企画経験が多ければ、1・2週目を統合してもかまいません。毎週末には手元に残る成果物がある必要があります。
| 週 | 範囲 | やること | 成果物 |
|---|---|---|---|
| 1週 | 第1章 | 現在担当しているサービスからAI候補課題を5つ選び、解決策の梯子に当てはめてみる | AI適用判断メモ |
| 2週 | 第2章 | Claudeドキュメントの成功基準の例を読み、課題1つの基準を数値に置き換える | 要件定義書とリリース基準表 |
| 3週 | 第3章前半 | 実際のログから評価サンプル30件を抽出し、期待される結果を付与する | 評価セット初案 |
| 4週 | 第3章後半、第4章前半 | 採点方式を定め、失敗事例を類型に分類する | 評価計画書、失敗類型リスト |
| 5週 | 第4章後半、第5章 | Google SREのカナリの章とNIST AI RMF Manageを読む | 失敗対応表、段階的リリース計画書 |
| 6週 | 全体復習 | セルフチェックを解き直し、無料の練習セットに取り組む | 復習ノート、付録C点検表 |
要点
成果物は実務における実際の機能1つを対象に作成してください。試験では「この状況において何を最初に行うか」が問われるため、自らの機能で一度最後まで企画してみた人が、最も迅速に正解の根拠を見つけ出すことができます。
表記と出典の方針
出典と確認日。 各章の「公式ドキュメントで確認する」と付録Dに、本書が根拠としたWebページをすべて記載しました。確認日はすべて2026年10月22日です。ドキュメントが変更された場合は、ドキュメントの内容が優先されます。
ベンダー名と機能名。 製品名や機能名は、公式ドキュメントの原文表記(例:Message Batches API、structured outputs)をそのまま使用します。モデル名や価格は頻繁に変更されるため、原理を説明するうえで不可欠な場合にのみ確認日とともに記載します。
法令の表記。 「人工知能発展および信頼基盤造成等に関する基本法」は略して「AI基本法」、「個人情報保護法(韓国)」は「個人情報保護法」と表記します。条文は「第31条第1項」のように記述します。
架空の組織。 本文に登場する企業や機関は、すべて架空の名称です。実在する組織と名称が同一であっても、いかなる関係もありません。
アラートボックス。 参考(NOTE)は補足する背景情報、重要(TIP)は必ず記憶しておくべき点、注意(WARNING)はトラブルが発生しやすいポイント、実習(EXAMPLE)は実際に取り組む課題を示します。