付録A 用語集

用語 意味
プロンプト モデルに渡す指示、コンテキスト、例、入力の全体
コンテキスト 1つの応答を作る際に見る全トークン。指示、ツール定義、文書、履歴、ツール結果を含む
コンテキストウィンドウ 一度に参照できるトークンの最大数。出力・推論も同じ枠で数えるかはモデルによる
トークン テキスト処理の単位。文字数と1対1では対応しない
コンテキスト劣化 トークンが増えるほど、中の情報を正確に想起する能力が下がる現象
コンテキストエンジニアリング モデルが見るトークン全体を毎回選び配置すること
システム(開発者)メッセージ すべての会話に共通する役割とルールを入れる場所。ユーザーメッセージより優先されるよう設計されているが、インジェクションを完全には防げない
会話途中のシステムメッセージ 途中に追加するシステム権限の指示。キャッシュを維持してルールを変える際に使う
役割の付与 視点・口調を定める文をシステムに入れる手法。知識や権限は与えない
成功基準 結果の良否を判定できる観察可能な条件
タスクの種類 抽出、変換、生成、判断など、創作の許容範囲と根拠の要求を決める性質
適切な高度 ハードコードと漠然とした原則の間で、原則・理由・代表例により判断の枠組みを与える水準
プロンプトインジェクション 入力に隠した文で指示を変える攻撃。直接型(ユーザー)と間接型(第三者の内容)がある
最小権限 モデルとツールに、タスクに必要な最小限のアクセスだけを与え、突破された場合の被害を減らす原則
few-shot例 望む入力と出力の組を数個見せる方式。例なしはzero-shot
例による偏り 例の集まりのラベル頻度、順序、文言などの偏りが、モデルの判断を傾ける現象
境界事例 2カテゴリの境界にある、または人の判断も分かれる入力
XMLタグ 指示・コンテキスト・例・入力の境界を示す目印。名前は自由だが一貫させる
データ辞書 フィールドの業務上の意味、型・単位、許容値、ない場合の値を整理する表
構造化出力 指定のJSONスキーマに従うよう出力を強制する機能
JSONモード 有効なJSONだけを保証し、スキーマ遵守は保証しない方式
enum 許容値一覧。分類ラベルの固定に使う
プリフィル assistantの冒頭を埋めて出力を誘導する手法。Claude 4.6以降は最終ターンのプリフィルに非対応
停止理由 応答が終了した理由。Anthropicはstop_reason、OpenAI Responses APIはstatusとincomplete_details.reasonで通知
Citations 引用部分に原文位置を付けて返すAnthropicの機能
検索グラウンディング ウェブ検索結果を根拠に回答し、出典を付ける機能
検索拡張生成(RAG) 質問時点で関連資料を検索し、コンテキストに入れる方式
BM25 単語一致による検索方式。番号・コードなど厳密な文字列に強い
文脈付き検索 断片ごとに、文書全体を参照した短い説明を付けて、インデックスを作る方法
再ランキング 検索候補を質問との関連度で並べ直し、上位だけ残す段階
圧縮(compaction) 長い会話の古い部分を要約に替えて続ける手法
コンテキスト編集 古いツール結果や思考ブロックを規則に従い除く機能
ジャストインタイムの読み込み 軽い識別子だけ保持し、必要時にツールで中身を読む方式
サブエージェント 空のコンテキストで集中作業をし、要約だけ返す補助エージェント
プロンプトキャッシュ 毎回同じ前半を保存して再利用する機能。完全一致でヒットする
推論モデル 回答前に内部で推論トークンを生成して考えるモデル
推論トークン 推論モデルが回答する前に生成するトークン。要約しか見えないか、まったく見えず、出力として課金される
適応型思考 モデルがリクエストの複雑さと強度の設定を見て、考えるかどうか、どの程度考えるかを決める方法
推論の強度(effort) 思考と応答にかける労力を調整する設定
出力上限 1リクエストで生成できる最大トークン数。推論を含む
プロンプトチェーン 複数呼び出しに分け、前の出力を次の入力にする方式
ルーティング 入力を分類し、種類別の専用経路に送るパターン
ワークフローパターン チェーン、ルーティング、並列化、指揮者と作業者、評価者と改善者など、呼び出しを組む定型方式
自己レビュー 草案を基準に照らして確認・修正する段階を置くパターン
ルーブリック 項目別の合格条件をまとめた採点基準表
致命的項目 1つでも失敗すれば使えず、平均とは別に判定する項目
テストセット 変更比較のため固定した入力と期待結果の集合
確認用セット 改善中は開かず、最終判断だけに使う集合(ホールドアウト)
回帰 変更後、以前できたことができなくなる現象
BLEU・ROUGE 参照解答との単語の重なりで採点する指標。意味や事実の正確さは測れない
LLM評価者 モデルを採点者に使う評価方式
位置・冗長さの偏り LLM評価者が、先に示された回答や長い回答を好む傾向
pass@k・pass^k k試行中1回以上成功する確率と、全試行成功する確率
能力評価・回帰評価 何が得意か測る評価と、以前の能力を維持しているか測る評価
記録(transcript) 試行の出力、ツール呼び出し、推論を含む全記録