付録A 用語集

用語 意味
ワークフロー LLMとツールを、あらかじめ決めたコード経路で連携させるシステム
エージェント LLMが進め方とツール使用を動的に決めるシステム
拡張LLM 検索・ツール・メモリなどの拡張を付けたLLM。すべてのエージェント構成の基本部品
エージェントループ モデルが行動を選び、ツールを実行し、結果をモデルへ戻す反復
プロンプトチェイニング 前の呼び出しの出力を次の入力につなぐ固定段階の構成
ゲート チェイニングの段階間で、出力をコードで検査する地点
ルーティング 入力を分類し、専門化した後続処理へ送るパターン
セクショニング 独立したサブタスクを同時実行する並列化の変形
投票 同じタスクを複数回実行して結果を集める並列化の変形
オーケストレーター-ワーカー 中央のLLMがタスクを動的に分け、ワーカーに任せて統合するパターン
評価者-オプティマイザー 一つの呼び出しが生成し、別の呼び出しが評価・フィードバックする反復パターン
クリティカルパス 並列タスクで全体時間を決める、最も長い依存関係の連鎖
委任契約 サブエージェントへの目標、出力形式、ツール・出典の指示、境界
handoff 別のエージェントへ実行の制御権を渡す接続方式
agent-as-tool 別のエージェントをツールとして呼び、制御権は保持する接続方式
コードオーケストレーション エージェントの流れをコードで決め、実行をより決定的で予測可能にする方式
相関した誤り 同じモデル・根拠を使う複数のエージェントが同じように間違える現象
ADR アーキテクチャ決定記録。代替案、測定値、選択理由、再検討条件を記す文書
ACI エージェント-コンピューターインターフェース。エージェントが使うツールとその説明・形式
ポカヨケ 間違えにくいように入力と形式を設計する手法
名前空間 サービス・リソース単位の接頭辞でツール名を区別する方式
プレビューと確定 変更内容を先に計算して見せ、確認済みの識別子だけで実行するツール構成
冪等性 同じリクエストを何度実行しても、一度と同じ効果になる性質
冪等キー 同じリクエストの反復を識別し、効果を一度だけにする識別子
MCP LLMアプリケーションと外部データ・ツールをつなぐオープンなプロトコル
ホスト・クライアント・サーバー MCPの三つの役割。アプリ、アプリ内のコネクタ、機能を提供するサービス
ステートレスプロトコル 処理に必要な情報を毎リクエストにすべて含め、以前のリクエストに依存しないプロトコル
状態ハンドル 複数呼び出しにまたがる状態を指すため、サーバーが発行する明示的な識別子。権限ではない
MRTR サーバーが追加入力を必要とするとき、input_requiredの結果で要求し、クライアントが元のリクエストを再送する方式
elicitation サーバーがクライアント経由でユーザーに追加情報を要求する機能。フォームモードとURLモードがある
Tasks拡張 長時間のMCPタスクに、永続的なタスクハンドルと状態照会を提供する公式拡張
ツールアノテーション ツールの動作を説明するヒント。信頼できないサーバーのものは信用しない
トークンパススルー 受け取ったトークンを検証せず下位APIへ渡す、禁止されたパターン
scope トークンが許可する操作範囲。最小から始め、必要時に段階的に引き上げる
段階的な発見 定義を事前に全部入れず、検索ツールで必要なものだけを読み込む方式
プログラムによるツール呼び出し モデルがツールを呼ぶコードを書き、サンドボックスで実行して最終結果だけを受け取る方式
コンテキストエンジニアリング 推論中にモデルが見る最適なトークン集合を選定・維持する戦略全体
コンテキスト劣化(context rot) コンテキストが長くなるほど、内部の情報を正確に想起する能力が下がる現象
注意予算 トークンごとに少しずつ消費する、モデルが注意を向けられる有限の容量
必要時の検索 軽量な識別子だけを持ち、必要時にデータを取得する方式
圧縮 ウィンドウが上限に近づいたら、会話を要約して新しいウィンドウを始める手法
ツール結果の整理 役目を終えた古いツール結果をコンテキストから削除する、最も軽い圧縮
構造化メモ エージェントがコンテキスト外に書き、後で読み直す記録
コンテキスト汚染 誤った、古い、または信頼できない情報が蓄積し、判断をゆがめる現象
業務上の正本 注文・送金・承認など、業務上の事実の最終基準となるシステム
プロンプトキャッシュ 反復するプロンプト先頭部分の処理を再利用し、コストとレイテンシを減らす機能
チェックポイント 再開のため、段階別の結果を永続保存した地点
引き継ぎパッケージ 次の実行者が長い会話を読まず継続できるようにまとめた文書
課題・試行 入力と成功基準を持つ一つの試験と、それに対する一度の試み
採点器 エージェントの動作の一側面を数値化するロジック
トランスクリプト 試行の全記録。トレース、軌跡とも呼ぶ
結果(outcome) 試行終了時の環境の最終状態
軌跡評価 ツール呼び出しの順序や引数など、経路を採点する評価
pass@k / pass^k k回中少なくとも一度成功する可能性 / k回すべて成功する確率
能力評価・回帰評価 できることを広げて測る評価 / 以前できたことを維持できるかの評価
飽和 評価セットの解決可能な課題をすべて通過し、改善が見えない状態
基準解 全採点器を通過すると確認された解答。課題の成立を示す
トレース・スパン ワークフロー全体の記録と、それを構成する開始・終了のある作業単位
スイスチーズモデル 一層では完璧でないため、複数の評価・観測の層を重ねるアプローチ
締め切り タスク全体に許された時間。段階別のタイムアウトとは別に設ける
指数バックオフ・ジッター 再試行間隔を指数的に延ばし、ランダム性を加えて集中を防ぐ方法
サーキットブレーカー 下位サービスの失敗率が高いとき、一定時間呼び出しを止める保護装置
承認疲れ 承認依頼が多すぎて、確認が形式的になる現象
承認の結び付け 承認を実行引数に結び付け、異なる内容が実行されないようにする設計
ガードレール 入力・出力・ツール呼び出しを検証し、実行を停止できる仕組み
サンドボックス プログラムがアクセスできるファイル・プロセス・ネットワークをOSレベルで制限した環境
プロンプトインジェクション 入力がモデル行動を意図と異なるものに変える脆弱性。直接・間接がある
過剰なエージェンシー 過剰な機能・権限・自律性によって、エージェントが有害な行動をするリスク
レインボーデプロイ 旧版と新版を同時に起動し、少しずつトラフィックを移して実行中タスクを守るデプロイ
完全仲介 行動の許可をLLMではなく下位システムが毎回検査する原則
ウォレット枯渇攻撃 過剰な呼び出しを誘導し、従量課金のコストを急増させる攻撃
トリップワイヤー ガードレールが違反を検出すると作動する信号。作動すると実行が止まる
キルスイッチ エージェントや書き込みツールを即座に停止する仕組み
補償処理 すでに発生した効果を相殺する逆の操作