この教本の使い方

注意

法的助言ではありません。 本書はAIDAN特技コースを準備するための学習教材です。法令や公式ガイドラインを理解できるように要約・解説したものであり、特定の学校やサービス、個別の生徒事案に対する法的見解ではありません。学校の法的地位、処理根拠、懲戒手続きは、事実関係や学校の規定によって結論が異なります。実際の決定を下す前に、その時点で施行されている法令の原文および所属する教育庁・学校の規定を確認してください。

確認日:2026年10月22日。 本書の法令内容は国家法令情報センターで条文の原文を読んで整理しました。確認日に各条文画面に表示されていた版は以下のとおりです。

  • 「人工知能の発展および信頼基盤の造成等に関する法律」(略称:AI基本法) [施行 2026. 7. 21.] [法律 第21311号、2026. 1. 20.、一部改正]
  • 同法施行令 [施行 2026. 8. 20.] [大統領令 第36580号、2026. 8. 18.、他法改正]
  • 「個人情報保護法(韓国)」 [施行 2026. 9. 11.] [法律 第21445号、2026. 3. 10.、一部改正]および同法施行令 [施行 2026. 9. 11.] [大統領令 第36671号、2026. 9. 10.、一部改正]
  • 「著作権法(韓国)」 [施行 2026. 8. 11.] [法律 第21336号、2026. 2. 10.、一部改正]
  • 「初・中等教育法(韓国)」 [施行 2026. 9. 11.] [法律 第21424号、2026. 3. 10.、一部改正]、「教育基本法(韓国)」 [施行 2026. 5. 6.] [法律 第21608号、2026. 5. 6.、一部改正]

UNESCO、NIST、OpenAI、Anthropic、OWASPの資料も同日に各機関の公式ページで確認しました。AI基本法が長官告示に委ねている詳細基準のように、確認日現在で公開文書により確認できなかった内容は記述していません。

本書の対象読者

本書は教室や講義室でAIを活用する人のための本です。授業資料をAIで作成する小・中・高校教員、記述式答案の採点やフィードバックにAI補助ツールを使用する教員や大学教員、学校・学習塾・企業研修におけるAI利用基準を策定する担当者、エデュテック導入を検討する教育機関の管理者が主な読者です。

これらの読者が共通して下す判断は、思っている以上に狭く具体的です。「このワークシートをそのまま配ってもよいか」、「この点数を成績に反映してもよいか」、「この生徒の文章をあのツールに入力してもよいか」、「このレポートを不正行為とみなすことができるか」、「このサービスを全校生徒に開放してもよいか」。本書は5章にわたり、これら5つの問いに答える方法を身につけられるようにします。

AIDANの入門コースである白帯(AI基礎)レベルの理解、つまり生成AIが確率的に文章を生成し、もっともらしく間違えることがあるという程度の感覚と、教育現場での経験があれば十分です。法令の条文は、初めて読む人でも理解できるよう、用語が初出するたびに解説しました。

本書を終えたときには、AI教材検収表、課題別AI許容レベル案内文、AI採点運用手順書、生徒データ処理チェックリスト、機関導入・点検計画書を自分で作成できるようになっている必要があります。各章の2つの実習課題を通じて、これらの成果物を直接作成します。

教育課程の開発全般、エデュテック製品の開発、個別の懲戒事案に関する法的助言は、本コースの範囲外です。

本書の構成

本文は試験のドメインと同じ順序の全5章です。第1章は授業資料を作成すること、第2章は生徒を評価すること、第3章は生徒情報を扱うこと、第4章は生徒のAI利用に関するルールを定めること、第5章は機関全体がAIを導入して運用することを扱います。前の章で身につけた原則が後の章で再び使われるように構成しました。例えば第1章の「AIが提示した事実は出典ではなく手がかり」という原則は、第4章の引用ルールや第5章のチューター運用で再び登場します。

各章は、学習目標、はじめに、重要な概念、さらに深く(トレードオフと境界事例)、実務の場面(見送った選択肢まで示す仮想事例)、間違えやすいポイント、ひと目でわかるまとめ、公式ドキュメントで確認する、セルフチェック(解説は付録B)、実習課題の10節で構成されています。

付録には用語集(A)、セルフチェックの解説(B)、試験当日のガイド(C)、本書が引用した公式ドキュメント一覧(D)があります。初めは章の順序どおりに読み、復習する際には各章の「ひと目でわかるまとめ」と「間違えやすいポイント」から確認することをお勧めします。

試験の概要

「AIによる指導」(AED)は特技コースです。特技審査は35問を60分以内で解答し、素点75点以上で合格となります。無料の練習セットは10問、25分です。

章 ドメイン 比重
第1章 授業設計と教材 20%
第2章 採点・フィードバックと生徒評価(高影響領域) 25%
第3章 生徒データと児童保護 20%
第4章 学業倫理とAI利用ポリシー 20%
第5章 機関導入と運用 15%

法令に関する問題は、試験時点で施行されている法令を基準とします。問題に登場する学校、学習塾、企業はすべて架空の名称であり、利用規約が結論を左右する問題では、利用規約の内容が問題文中に記載されます。

問題はこのような形です

問題は5つの形式で出題されます。大半は仮想の学校や機関の状況をまず提示し、その状況において最も適切な判断や措置を問います。

形式 構成 採点 解答のコツ
単一選択 5つの選択肢のうち正解1つ 完全一致 状況の条件(対象生徒の年齢、成績反映の有無、学校契約の有無、周知された基準)を先にマークしてから選択肢を読む
複数選択 5〜6個の選択肢のうち2〜3個 正解をすべて選び、誤答を1つも選ばない場合のみ正解 選択肢ごとに独立して真偽を判定する
記述判定 記述ごとにYes/No 判断と理由が両方とも合っていて初めてYes 結論が合っていても理由が誤っていればNo
順序並べ替え 4〜5段階を順序どおりに 全体の順序が一致 「前段階の結果が次段階の入力になっているか」で順番に並べる
マッチング 左側の項目と右側の選択肢を連結 すべての組み合わせが一致 最も確実な組み合わせから消去し、使われない選択肢が1つあることを覚えておく

本コースの単一選択問題には1つの特徴があります。同じ5つの選択肢が異なる状況で再び登場し、状況ごとに正解が異なります。「教員がすべての点数を確定する」は、成績に反映されるパフォーマンス評価では正解ですが、記録に残さない授業終わりの練習問題では過度な選択です。「保護者の承諾を得る」は、利用規約が満18歳未満に対して承諾を求めている場合は正解ですが、利用規約が満13歳未満の利用を一律に禁止している場合は正解になり得ません。そのため、「最も無難に見える選択肢」や「最も一般的な模範解答」を選ぶテクニックは通用しません。状況の条件1つひとつが正解を変えます。

誤答の選択肢は、概ね4つの方法で作られます。第1に、一致を真実と錯覚します(「3つのAIの回答が一致しているから正しい」)。第2に、平均で個人を判断します(「学級平均が同じだから採点は正しい」)。第3に、別の状況の正解を持ち込みます(大学の補償金ルールを中学校に適用する)。第4に、必要以上に重く、あるいは軽く対応します(誤字1つで全学年の利用を中断する、個人情報の流出に対して業者の報告書を待つだけにする)。各章の「間違えやすいポイント」は、この類型を章ごとに整理したものです。

6週間の学習計画

1日40〜60分、週5日を基準に作成しました。現場経験が豊富であれば、第1週と第2週をまとめても構いません。毎週末には手元に残る成果物があるようにします。

週 範囲 取り組むこと 成果物
第1週 第1章 前学期に作成したAI資料を1つ選び、本書の検収表で再検収する AI教材検収表
第2週 第2章の前半 AI基本法第2条、第31条、第33条、第34条を原文で読む 評価用途別AI活用レベル表
第3週 第2章の後半、第3章の前半 採点一致度の点検を小規模に試行し、個人情報保護法(韓国)第3条・第15条・第22条の2を読む AI採点運用手順書、生徒情報分類表
第4週 第3章の後半、第4章 利用しているAIサービス1社の利用規約とデータ条件を自分で探して読む サービスデータ条件チェックリスト、課題別許容レベル案内文
第5週 第4章の実習、第5章 UNESCO指針案内とNIST AI RMF Coreに目を通す 機関導入計画書と点検周期表
第6週 全体の復習 セルフチェックを解き直し、練習セットに取り組む 復習ノート、付録Cチェックリスト

要点

条文は要約版ではなく、一度は原文で読んでください。「〜しなければならない」(義務)、「努力しなければならない」(努力義務)、「〜することができる」(裁量)の違いが、本試験の誤答の選択肢を見分けるポイントになります。例えばAI基本法において、高影響への該当有無の事前検討は義務ですが、長官に確認を要請することは「〜することができる」と規定されています。

表記と出典の方針

条文の表記。 法律の条文は「第31条第2項」、施行令は「施行令第23条第2項」のように記述します。同一の章で複数の法律を引用する場合は法律名を付記します。第2章の条文は主にAI基本法、第3章の条文は主に個人情報保護法(韓国)です。

動詞の強度。 法令の条文における動詞は、義務の強度を示しています。

文言 意味 本書での例
〜しなければならない / 〜してはならない 義務・禁止 AI基本法第31条第1項 事前告知、著作権法(韓国)第37条 出典明示
努力しなければならない 努力義務 AI基本法第35条第1項 影響評価
〜することができる 裁量または許容 AI基本法第33条第1項 確認要請、著作権法(韓国)第25条第3項 授業目的の複製
適用しないことができる 例外が可能 AI基本法施行令第23条第4項

学校の法的地位。 AI基本法は、人工知能事業者の義務を定める法律です。エデュテック企業が他の開発事業者の提供したAIを利用して製品やサービスを提供する場合、人工知能利用事業者に該当しますが、学校や教育庁がどのような場合に事業者に該当するかは事実関係によって異なります。本書では、学校の決定について説明する際、「法が学校にこのような義務を課している」と断定するのではなく、法が求める原則(人間の管理・監督、説明、透明性)を学校運営の基準とする方針で記述しています。

AIサービス。 特定のサービス名や機能は公式ドキュメントで確認できた場合のみ記述し、価格や料金プランは扱いません。問題や実務の場面に登場するサービスは、大半が利用規約の内容をあらかじめ設定した架空のサービスです。

架空の組織。 本文に登場する学校、学習塾、企業、機関はすべて架空の名称です。

コールアウトボックス。 参考(NOTE)は補足的な背景、重要(TIP)は必ず覚えておくべき点、注意(WARNING)はトラブルが発生しやすい点、実習(EXAMPLE)は実際に取り組む課題です。