付録B セルフチェックの解答と解説
セルフチェックは自分の言葉で答える質問が多く、正解は一つではありません。以下は模範解答の例と、回答に必ず含めるべき考え方です。
第1章
1-1. 例:「スマートフォンのキーボードが『今日の夜に』の次に『何』、『一緒に』をおすすめするように、生成AIは多くの文章から学んだ言葉の流れによって、質問の次に来る自然な言葉を一つのかけらずつつなぎ合わせて回答を作ります。そのため文章は自然ですが、その内容が事実であるかは別途確認しなければなりません。」要点は、AIが探してくるのではなく作り出すという点と、基準が事実ではなく自然さであるという点です。
1-2. 検索や公式案内が適している事:(ア)図書館の休館日、(ウ)市外バスの運賃。どちらも変わりやすい今日の事実であるため、その機関の公式案内で確認しなければなりません。生成AIが適している事:(イ)挨拶のメッセージ、(エ)告知文の要約、(オ)集まりの名前の候補。結果が良いかどうかを自分が直接読んで判断できる言葉や文章に関する作業です。ただし(エ)の要約に含まれる日付や金額は原文と照合します。
1-3. 例:(1) 時間、金額、電話番号のような正確な数字 (2) 人・店・機関・制度の名前 (3) 「○○の発表によると」のような根拠 (4) 「必ず」、「誰もが」、「100%」のような断定する言葉。このうち3つが含まれていれば十分です。具体的であるほど役に立ちそうに見えますが、間違っていた場合の被害が大きい部分です。
1-4. 分かること:このAIがこの質問に対して一貫して同じ回答を出すということ、すなわち回答が食い違う警告サインはないということ。分からないこと:その日付が事実であるということ。同じAIは同じ間違いを繰り返す可能性があるため、公式案内で確認しなければなりません。
1-5. 例(キムジャン):AIに任せる — キムジャンの日の家族グループチャット案内文、スユク(茹で豚肉)に添えるメニューのアイデア。AIが手助けして自分が確認する — 白菜の株数に合わせたヤンニョム(薬念)材料のリスト(分量はレシピ原文や経験で確認)、キムジャンの手順表。自分が直接行う — 塩漬け白菜の注文と決済、塩分を控えるべき家族の食事調整(必要に応じて医師と相談)。お金が動くことや健康に関わる作業が「自分が直接行う」欄にあれば十分です。
1-6. 例:(1) 営業時間、定休日 (2) 料金と価格 (3) 支援金や制度の対象と申請期間 (4) イベントの日程 (5) 担当部署と電話番号。このうち3つが含まれていれば十分です。いずれも頻繁に変更されるため、AIが学習した時点以降に変わっている可能性がある情報です。
第2章
2-1. 何を(得たい成果物、例:お礼のメッセージ1通)、なぜ(状況と条件、例:引っ越し餅をもらったお返し)、誰に(読む人と口調、例:隣のご年配の方、丁寧に)、どれくらい(長さ、例:3行)、どのような形で(形式、例:メッセージで送る短い行、絵文字なし)。5つの欄の名称と、自身の生活における具体例が組み合わされていれば十分です。
2-2. 例:「2人暮らし(60代の夫婦)が夜に食べるキムチチゲを作ろうとしています。家に古漬けキムチ(ムグンジ)と豚の前足肉があり、夫は塩分を控えなければなりません。手順に番号をつけて7段階以内で、材料の分量は2人前を基準に教えてください。」成果物(調理手順)、状況(材料と条件)、対象(60代の夫婦)、どれくらい(7段階、2人前の分量)、形式(番号順のステップ)が含まれており、名前や住所が入っていなければ十分です。
2-3. (1) 何が物足りないかを具体的に指摘します(「長すぎて2行目が硬い」)。(2) 良い部分は残すよう伝えます(「1行目はそのままにして」)。(3) 一度に多くを変更しようとせず、重要なものから1〜2点ずつ依頼します。理由や対象をあわせて伝えると(「8歳の子が直接読むので」)、より的確に修正されます。
2-4. 例:(ア)「グループチャットにそのまま貼り付けられるように、表や特殊記号を使わず短い行で。」(イ)「スーパーの売り場別(野菜、精肉、乳製品)にまとめたリストで、項目ごとに1行ずつ。」(ウ)「声に出して読みやすいように短い文章で、難しい漢字語は使わずに。」形式は実際に使う場所・用途に合わせます。
2-5. 新しい対話を始めたほうがよい場合(2つ):トピックが完全に変わるとき、対話が非常に長くなって前の条件が見落とされるとき、修正を求めても同じ間違いを繰り返すとき、他人の事柄について尋ねるとき、前の対話で個人的な話を多くしたときのいずれか2つ。必ず行うべきこと:新しい対話が以前の対話をどれだけ把握しているかはアプリや設定(メモリ機能など)によって異なるため、必要な条件を改めて記述します。
2-6. 第1章で見たように、AIは分からない欄をもっともらしい言葉で埋めようとし、日付や店舗名などは特にでっち上げやすい傾向があります。最初から空欄にしておくよう求めれば、AIがでっち上げる隙がなくなり、確認済みの事実は自分が記入するため、誤った日付が混ざるリスクが減ります。確認すべき箇所が一目でわかるという利点もあります。
2-7. 例:「今年初めて海外旅行に行こうと思っています。準備を手伝ってほしいのですが、私に合った準備リストを作るには何を知る必要があるか、まず質問を5つだけしてください。私が答えたら、その後に準備リストを作成してください。」先に質問してほしいという依頼と、回答した後に成果物を出してほしいという順序が含まれていれば十分です。
第3章
3-1. 数字、日付と時間、人の名前、店・機関・制度の名前、場所と住所、電話番号とウェブサイトのアドレス、資格と規則、根拠のうち5つ以上。「誰もが」、「必ず」のような広範に断定する言葉にも合わせて注意します。
3-2. たどり着く方法:リンクをすぐにクリックせず、出典に記載された機関の公式ウェブサイトに検索やお気に入り(ブックマーク)から直接アクセスし、同じ文書を探します。確認すべき点:(1) 公式ウェブサイトでその文書が見つかるか。(2) 誰が書いた場所か(公的機関か、個人のブログや広告か)。(3) 文書の内容がAIの回答の数字・日付・条件と一致しているか。(4) いつ書かれた文章か(掲載日、更新日、事業年度)。これら4つの基準をすべて満たして初めて確認できたと言えます。
3-3. (ア)保健所(またはその保健所を管轄する市・郡・区庁)の公式ウェブサイトや代表電話番号。(イ)法制処 国家法令情報センターの施行日表示。(ウ)医師や薬剤師。一般的な健康情報は国家健康情報ポータルで確認できますが、自身が服用している薬同士の相互作用などの問題は専門家が判断します。
3-4. (1) メッセージで届いたリンクは偽のウェブサイト(フィッシングサイト)である可能性があり、金融監督院(韓国)も受け取ったアドレスを検索で確認するよう案内しています。(2) AIは番号や住所を誤って伝えたり、でっち上げたりすることがあります。公式ウェブサイトを自ら検索してアクセスし、そこに記載されている代表番号に電話をかければ、両方のリスクを回避できます。
3-5. 5つのブログが同じ誤った記事をコピーしている可能性があるため、数字(件数)だけを見て信用してはなりません。手がかりにとどめ、その情報に責任を持つ機関の公式ウェブサイトを改めて探すか、代表番号に電話して確認します。確認が取れない場合は使用しないか、「未確認」と明記して伝えるか、確認できるまで待ちます。
3-6. AIに任せてもよい事(2つ):受診時に質問する項目のリスト作成、処方箋に書かれた用語の一般的な意味の解説、症状記録表の作成、病院の案内文を分かりやすい言葉に書き換えること、のうち2つ。医師・薬剤師に尋ねるべき事(2つ):自身の症状の原因と治療、薬同士の飲み合わせに問題がないか、薬を減らしたり中断したりしてもよいか、運動や食事の制限が自分に適しているか、のうち2つ。
3-7. 伝える前に行うべきこと:金額、対象、申請期間のような数字や条件を担当機関の公式告示で確認します。あわせて記載する1行:確認した場所と日付。例えば「ガラム市庁ウェブサイトの告示(○月○日掲載)基準」のように記載し、受け取る側も再確認できるようにします。
第4章
4-1. 例:「ガラムアパート102棟に住む70代の退職した元校長先生が先月膝の手術を受けたんだけど、快気祝いのメッセージを書いて。」名前はありませんが、近隣の住民であれば誰のことかが分かってしまいます。アパート名と棟番号を省き(除く)、「元校長」を「昔からの近所のご年配の方」へと広げ(広げる)、「先月の膝の手術」を「最近の手術」へと広げれば十分です。要点は名前そのものではなく、集まることで誰であるかが特定される断片を減らすことです。
4-2. 赤:(ア)認証番号、(オ)カード裏面の写真。黄:(ウ)孫娘の顔写真(アップロードするには親の承諾が必要であり、可能であればアップロードしない)、(カ)友人の名前と電話番号(省くか置き換える)。緑:(イ)「60代、腰が悪い」、(エ)一般的な案内文の内容。ただし緑であっても他の情報と合わされば黄になり得ます。
4-3. 例:「息子が来週新しい家に引っ越します。母親から送る引っ越し祝いのメッセージを、温かみのあるトーンで3行で書いてください。」自分の名前と電話番号は省き(除く)、息子の名前は「息子」に変更し(置き換える)、住所は除外しました。お祝いのメッセージを作成するのに名前、電話番号、住所は必要ありません。
4-4. 変わること:自分の対話がAIのモデル改善(学習)に使用されることが停止します(運営会社の案内に基づく、例外が存在する場合があります)。変わらないこと(2つ):対話が運営会社のサーバーに送信されること、対話履歴に残ること、安全性確認の対象になり得ること、共有の端末で他の人に見られる可能性があること、フィードバックボタンで送信した対話が別個に扱われること、のうち2つ。
4-5. 利用に適した状況:一時的に尋ねて終わらせる事、履歴に残したくない事(例:共用端末で一時的に利用するとき、悩みを少し打ち明けるとき)。してはならないこと:一時的な対話だからといって、住民登録番号、パスワード、認証番号、口座番号やクレジットカード番号のような「赤」の情報を入力すること。一時的な対話であってもサーバーを経由し、一定期間保管される可能性があります。
4-6. (1) アカウントメニューからログアウトを押す。(2) AIのウェブサイトを再度開き、ログイン画面が表示されるか確認する。(3) ブラウザに自身のパスワードや自動ログインが保存されていないか確認し、保存されていれば削除する(最初から「ログイン状態を維持」やパスワード保存を拒否していればなおよい)。ウィンドウを閉じるだけではログアウトされない場合があるという点が要点です。
4-7. 例:「アプリの設定メニューで『データ』、『個人情報』、『学習』、『モデル改善』といった言葉が含まれる項目を探す。見つからない場合は、そのサービスの公式ヘルプで同じ言葉で検索する。設定項目があれば、その名称と現在の状態(オン・オフ)を記録する。」本書の第4章の表は確認日時点における3つのサービスの公式案内をまとめたものであるため、アプリが変更されている可能性があることを念頭に置き、自ら直接確認することが要点です。
第5章
5-1. (1) 急がせる。(2) 秘密にさせる。(3) お金や金融情報(口座番号、カード番号、認証番号)を要求する。(4) リンクを押させたりアプリをインストールさせたりする。(5) 見知らぬ番号やメッセージアプリから届く。
5-2. (1) 立ち止まる — お金、番号、リンク、アプリをすべてストップ。(2) 電話を切る。(3) 登録済みの番号(家族)または公式代表番号(機関)に自分から直接かける。(4) 家族の間で決めておいた確認の質問をする。(5) 他の家族にも知らせる。(6) 詐欺と思われる場合は通報し、お金を送ってしまったなら直ちに金融機関と警察に連絡する。
5-3. 金融監督院が案内しているように、発信番号は偽装できるため、画面に表示された番号だけでは本物の銀行かどうか分かりません。その電話口で確認しても詐欺犯に確認することになってしまうため、電話を切り、カードの裏面や公式ウェブサイトの代表番号に自分から直接かけ直さなければなりません。
5-4. 例:(1)「お母さんの誕生日は?」 — 書類やSNSで調べることができてしまいます。(2)「自宅の住所は?」 — 詐欺犯が個人情報を事前に把握している可能性があります。(3)「孫の学校名は?」 — SNSの写真や投稿から判明してしまうことがあります。良い確認の質問とは、インターネットで調べることができず、家族が簡単に覚えられて、短く答えられ、他人が聞いても意味が分からないものです。
5-5. 分かること:この動画にAI生成表示が付いていないという事実だけです。分からないこと:この動画が本物であるということ。AI基本法第31条の表示義務は事業者にあり、詐欺犯や表示を消して拡散させた人物は表示を行わない可能性があるため、出所と確認手順によって判断します。
5-6. 最優先で行うこと:お金を送金した銀行や振込先口座のある銀行のカスタマーセンターに直ちに電話し、被害申告と口座の支払停止を申請します(112や1332を経由しても接続可能)。その後(2点):112に被害を申告して事件事故事実確認書などの交付を受けること、電話で支払停止を申請した日から3営業日以内にその銀行の営業店舗へ被害救済を書面で申請すること、不正アプリをインストールしてしまった場合は削除するかスマートフォンを初期化すること、「個人情報露出者事故予防システム」に登録すること、のうちの2点。
5-7. 送信する前に:案内文から氏名、住所、連絡先、顧客番号といった個人情報を削除します。受け取った後に:要約に含まれる日付、時間、金額を原文ともう一度突き合わせて確認します。AIは要約しながら数値を改変したり漏らしたりすることがあります。